言い伝えのある金物たち
アンティークドアノブパーツに込められた言い伝えのある金具集のご紹介
手の形のアンティークドアノッカー 「ファティマの手」
イギリスやフランスの街並みの中でふと、玄関扉に見かける、手の形のドアノッカー「ファティマの手」。
幸運を呼ぶお守りとして、また、魔除けのアミュレットとして家を守る為に玄関扉に付けられています。
その起源は、西暦600年頃の中東。
イスラム教開祖ムハンマドの娘ファティマ。
慈悲深く、献身的な生涯を過ごし、災いを防いだり、幸運をもたらす力を持った、理想の女性として伝えられ、愛されているそうです。
真鍮やアイアン製で、女性の手の形をしています。
指輪をしていたり、レースのおしゃれな袖だったりと、凝った装飾のものもあります。
色もブラックアイアン、真鍮ゴールド、ドアに合わせてペイントされたりと美的感覚を発揮して取り付けられています。
ドアノッカーとして、音を出すためにボールを持っていますが、胡桃や実を持ったデザインもあります。
ヴィクトリアン時代には、友情や愛情を表す手のモチーフ、ヴィクトリアンハンドが人気でしたが、その為、なじみ深いモチーフとして使われていたのかも知れません。
キャビネットや家具の真鍮装飾としてもハンドモチーフが用いられています。
いたずら好きなイギリスのピクシー
イングランド南西部コーンウォールに伝わる妖精、ピクシー。
イギリス人をはじめ、幅広く人気のコレクタブルなモチーフで、1900年代前半に作られたアンティークの真鍮製人形やお皿、ドアノッカーなどは希少で人気が高く、マーケットでは現在でも高価で取引されています。
語源は、民話やシェイクスピアの夏の夜の夢で登場するいたずら好きな妖精 パック(Puck)から。
物語の中でも、お手伝いをしたかと思えばいたずらをしたりと、反った鼻やとがった耳、いたずら好きで愛嬌のある、そんな存在が魅力的で、愛されているピクシーです。
ケルビムやエンジェルのドアノッカー
天使に護られているような、
重厚な真鍮製ドアノッカーが飾られたドアをモンマルトルの丘で見つけました。
古い建物が今なお大切に受け継がれているフランスやイギリスでは、石やレンガ作りの教会や周囲の建物、公園などの日常のシーンで装飾としてマリア像や聖人達、エンジェル、ガーゴイル等の守護で護られた様な石像が飾られていて、その美しさにはっと息をのんでしまいます。
さすが数百年の歴史ある古い建物が残る街並みならでは。
エンジェルモチーフは人気で、建具や家具の装飾はもちろん、小物や絵画にとあらゆるものに見られます。
神の使者として神と人との仲をつなぐ天使。
欧米では、一人ひとりに守護天使が付いていて、人生を守り導き、幸せを運んでくれると言われています。
子供の天使は祝福、大人の天使は導きを与えてくれるとされています。
また、背中に羽、手には矢を持つキューピッドは美の女神ヴィーナスの息子で愛の神様。
この矢で撃たれると激しい恋心に支配されると言われ、相手に思いを伝えてくれる恋愛成就の象徴とされています。
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