アンティークの知りたい基礎知識|アンティーク家具を取り入れたお部屋作りや、アンティーク家具のお手入れ方法をご紹介しています。せひ参考にしてください!

アンティーク家具やヴィンテージ家具には、種々の木材が使われています。木材の特徴や、好んで使われていた時代背景を知ると、アンティーク家具の見方がもっと深くなります。
ここでは、アンティーク家具に使われる木材の種類についてご紹介します。

アンティーク家具の木材 ビッグ4

家具史研究家パーシー・マッコイド(ParcyMacquoid)は、アンティーク家具を木材別に、「オークの時代(1400-1660)」、「ウォールナットの時代(1660-1720)」、「マホガニーの時代(1720-1770)」、「サテンウッドの時代(1770-1830)」と区分しました。
もちろん例外はありますが、100年以上経ったアンティーク家具は、この4種類の木材で作られているものが多く見られます。まずは、この4種について知っておきましょう。

オーク

落ち着いた色合いの堅牢な木材。耐久性があり彫刻にも向いています。重厚な質感が好まれ、古くから家具材として広く使われてきました。
木目がはっきりしており、中でも虎斑(タイガークランク)と呼ばれる縞の木目は価値が高いとされています。200年以上経過していない木は伐採できない貴重な木材です。
古びるとシルバーがかった色になります。固いので、ツイストでねじった脚の家具ゲートレッグテーブルや椅子が人気。また、固木なのに彫刻された背の高いガラスキャビネットが人気です。

マホガニー

大航海時代以降、ヨーロッパで好まれた木材。赤褐色の美しい光沢のある木肌が特徴。高級家具や楽器に用いられ、時を経るほど深みを増す色合いが秀逸な木材。
現在はワシントン条約で取引を制限しているため、マホガニーを贅沢に使った家具はアンティークでしか見ることができません。
1700年代にデザインされた、カップを逆さにしたモチーフのinverted cup baluster デザインは手すりや家具脚に伝統的に見られます。

ウォ-ルナット

濃茶褐色とシラタ(白い部分)が濃淡を描く、上品で落ち着いた木目が特徴。硬くて強度がある上に加工しやすく、仕上がった製品にひずみが少ないことから、家具用木材として重用されています。「チーク」、「マホガニー」と共に、木工の世界三大銘木と称されています。くるみの木の温もりある木目が人気。

サテンウッド

「アヤン」とも呼ばれる木材で、サテン生地のようになめらかな質感と、光沢のある金褐色の色合いが特徴。適度な硬さと耐久性があり、家具材としては取扱いが難しいため、突板(単板)として多く使われます。

アンティーク家具によく使用されるその他の木材

上記の4種類の他にも、アンティーク家具に使用される木材は数多くあります。代表的な種類をいくつかご紹介します。

ローズウッド

特徴のある木目の美しさが王侯貴族に愛され、宮廷家具に多用された木材。ブラジル原産のローズウッドは、紫がかった茶が美しく、「キングウッド」と呼ばれています。日本では「紫檀(シタン)」と呼ばれることもあります。ローズウッドもワシントン条約により取引制限されています。
固く艶のある木肌は、バルーンバックチェアの曲線的なフレームに使われたり、高級家具として人気です。

エルム

材質は固く丈夫で、堂々とした風格があります。家具はもちろん、構造材としても使用されていました。古い屋敷の解体で、100年、150年というオールドビーム(梁)が出ることもあり、アンティーク古材として人気を集めています。
現在では伐採が禁じられた木材で、100年~200年経過した大きな1枚板が人気です。昔のアーコールチェアの座面にも使われています。広い1枚板で残ったものは、現在となってはかなり貴重です。

チーク

堅牢ですっきりと端正な木目の美しさから、北欧のヴィンテージ家具に多く使われる材木。油分が多く病害虫に強いとされています。水や日差しにも耐久性があるので、オリエント急行など高級列車や豪華客船の内装材にも使われています。
固木だけど彫刻しやすい木材。赤と茶色がかった木目が人気。アールデコ家具や、北欧デンマーク系の家具メーカー、G-PLANなどの家具に使用されています。

パイン

素朴で温かみのある色合いと「節」の表情が特徴的な木材。カントリーテイストの家具やペイント家具はパイン材を使うことが多いようです。木質は柔らかく傷がつきやすいですが、それを経年変化の味や風合いとして好む人も多いです。
年月を経るごとに年輪が荒っぽく出るのが魅力。素朴で温かみのある風合いは、テーブルや床材にと人気です。古びた納屋のイメージをつくるのにぴったりな木材です。

フルーツウッド

フルーツウッドはその名の通り、果樹の木材で、アップルウッド(リンゴの木)やナシ、モモなどが挙げられます。温もりのある素朴な風合いと艶が特徴。アルモワールキャビネットやワードローブなどに使用されます。
節が少なく、日に当たって良く育ったフルーツの名の通り艶があり、ライティングビューローやドレッサー、ワードローブなど、女性が日常的に使用する家具に好んで使われています。

木目の特徴や耐久性、風合いなど木材の特徴を知っておけば、アンティーク家具を選ぶ際に一つの目安になります。これを機に覚えておきましょう。

関連記事

効果的なマテリアル