家具脚のデザイン集
ルイ15世のカブリオールレッグやクイーンアンの脚、猫足など家具脚の歴史や特徴のお話し
ルイ15世様式
ルイ15世(1710~1774)が即位していた1715年~1774年、18世紀中頃にフランスでデザインされたスタイルをルイ15世様式と呼びます。
サロン(宮廷文化)を開催していた貴婦人達に好まれる優美なデザイン。
カブリオールレッグと呼ばれる丸脚が特徴的な、曲線的なロココ調の家具です。シノワズリ的な要素と融合したスタイルも人気になりました。
18世紀の初期に登場した、カブリオールレッグ。
初期の頃は主に動物の脚先や、ヒズメなどを模したデザインが多く見られ、流行しました。
より動物らしい、毛足の長いヒズメ脚。18世紀の初期にデザインされ、サイドテーブルなどの家具に見られます。
装飾的で美しい曲線です。
カブリオールレッグのクロウ&ボールフット。
18世紀の初期にデザインされ、流行しました。
龍がボールをつかんでいる、東洋文化から影響を受けたシノワズリらしい印象です。
こちらは山羊のヒズメがモチーフ。18世紀後期から見られます。
くるんと丸い山羊の角の先からヒズメ型の脚先。
脚そのものも、細く華奢になってきています。
脚先に加えて、背もたれや座面の彫刻も魅力。
アカンサスリーフやシェルモチーフの彫刻と一緒に取り入れられ、華奢で曲線的なサーペンタインシルエットが魅力です。
ロココ調家具の特徴として、リボン、花、植物、貝殻などのモチーフが美しい曲線となってとり入れられています。
ロココの語源ロカイユはイタリアの貝殻装飾に由来すると言われています。
「ヴィーナスの誕生」の絵画に見られる様に、貝はギリシャ神話の女神ヴィーナスと、「愛」を象徴するモチーフです。
巻貝のモチーフは愛を育てるお守りに、帆立貝(2枚貝)のモチーフはパートナーとの絆を深めるお守りとして伝えられています。
ルイ16世様式
ルイ16世(1754~1793)が即位していた1774年~1792年、18世紀後半にフランスでデザインされたスタイルをルイ16世スタイルと呼びます。
これまでのロココ調に比べ、古代ギリシアの柱や古代ローマを思わせるモチーフが取り入れられた、ネオクラシックスタイルです。
直線的なシルエットに、少しすっきりした装飾。
モチーフにはアカンサスやローリエ、パルメット、リボンツイスト等が見られます。
ギリシアの柱のようなフルーディングが彫られた直線脚と、付け根の装飾が特徴のルイ16世チェア。
マリー・アントワネットが愛したルイ16世様式。家具職人リーズネル作の宮廷家具達はヴェルサイユ宮殿や貴族達のサロンに多数納められています。
クイーンアン様式
アン・スチュアート女王(1665~1714)が即位していた1702年~1714年、18世紀初期イギリスでデザインされたスタイルをクイーンアン様式と呼びます。
イギリスでとり入れられたロココ調スタイルで、カブリオールレッグや曲線的なシルエット、透かし彫りなどが優美な印象です。
クイーンアン様式の猫脚。
カブリオールレッグの優雅なシルエットです。
その他のデザイン
シンプルなフレンチカブリオールの丸脚。
すっきりとして細身の華奢なシルエットです。
シュヴェやサイドテーブルなどに見られます。
17世紀にイギリスでデザインされたボビンターニングレッグ。
糸巻きボビンみたいな丸い細工模様が華奢な印象です。
1700年代初期にデザインされたinverted cup baluster
逆さまにしたカップの様な形の意味で、手すりや脚に見られます。
重厚感があってしっかりした印象です。
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