アンティークの知りたい基礎知識|アンティーク家具を取り入れたお部屋作りや、アンティーク家具のお手入れ方法をご紹介しています。せひ参考にしてください!

フランスでは、田園や川沿いに建つプチシャトーでの封建領主的な時代。身分を示す為や、独自の趣味で、独特な室内装飾や家具装飾が発展していきました。

パディントンで扱うフレンチアンティーク家具の、様式の時代や特徴をご紹介します。

 

アンティーク家具の歴史 年表

 

年代 フランス 様式  ヨーロッパ諸国  日本
1630  ルイ14世様式
バロック&ロココ
ルイ14世
(在位1643~1715)
 江戸時代
(1600~1853)
箪笥や屏風、布団が作られていましたが、家具はほとんど使われていませんでした。
1650
1670
1690
1710  レジアンス様式
1730  ルイ15世様式
ロココ
ルイ15世
(在位1715~1774)
ポンパドゥール夫人
(1745~1764)
 ジョージアン様式
(イギリス)
1750
1770  ルイ16世様式
ネオクラシカル
新古典主義
ルイ16世
(在位1774~1792)
 マリー・アントワネット
(1774~1792)
 グスタヴィアン様式
(スウェーデン)
1790  ディレクトワール様式
1810  アンピール様式
新古典主義
 ナポレオン1世
(在位1804~1814)
 リージェンシー様式
(イギリス)ビーダーマイヤー様式
(ドイツ・オーストリア)
1830  レストレーション様式  ルイ18世
シャルル10世
ルイ・フィリップ1世
1850  セカンドアンピール様式
 ナポレオン3世
(在位1852~1870)
ウージェニー皇后
(1853~1870)
 ペリー来航。アメリカ、ロシア、イギリス、オランダと和親条約を結び、鎖国の終了(1854)
1870   明治(1868~1912)
日本各地で家具が作られ始める。
和洋折衷なテーブルや椅子、西洋のキャビネットやソファ。学校や役所で椅子が使われ始める。
1890  アール・ヌーヴォー様式  ヴィクトリアン様式
(イギリス)
1910  アール・デコ様式  エドワーディアン様式
(イギリス)
 大正(1912~1926)
1930 昭和(1926~1989)
 

ルイ14世様式 (louis ⅩⅣ style)

荘重なバロックと、曲線を多用したロココデザインが特徴。栄光と富、権力を反映させた家具やインテリア。
ベルサイユ宮殿と中国風のル・グラン・トリアノンを建設。ゴブラン織りの椅子。フォトゥーユと呼ばれる肘掛け椅子は君主のみが座る事を許され、身分によって座る椅子のデザインが異なっていました。椅子の背もたれは生地張りが多く、長方形で直立しています。座面は長方形が多く、アームレストはシートの端まで伸びています。ストレッチャーはシート下が多く、脚は真っすぐです。

象嵌、べっこう、ゴールド、シルバー、ブロンズ、真鍮などで装飾されたマルケトリ家具が見られます。
壁に飾った肖像画の下に飾られたコモードが登場し人気となりました。曲面的なボンベ型(Bombé commode)や、脚が長く引出が2段のものが多く、ルイ15世以降に段数が増えていきました。
太陽王ルイ14世が自らを太陽神アポロンとイメージ付けた様に、オリンポスの神や神話、妖精等のモチーフ装飾が好まれました。

生地や柄物は大柄な紋様の、ダマスク、ブロカード、生命の木、大きなブーケ等が多く、鮮やかな色彩です。

レジアンス様式(Régence style)

コモードやキャビネット家具の前面や側面が曲線的なボンベ型デザインが受け継がれています。

ルイ15世様式 (louis ⅩⅤ style)

軽やかで優美で洗練された曲線のロココ様式デザインが特徴。
広い部屋より小部屋が好まれ、定期的に開かれたサロンは、女性の私室に集まって芸術や社交を楽しみました。家具や室内装飾も女性的で、コモードや座りやすさを重視しカーブした肘掛け椅子等部屋に飾られました。動物の足やヒズメを模したカブリオールレッグはバレリーナの跳躍という意味。アカンサスリーフ、庭園にあった洞窟からデザインされたロカイユ(貝)モチーフが多用され、中国風の漆や磁器を模したシノワズリも登場しました。
ルイ15世の公妾、ポンパドゥール夫人の宮廷サロン文化時代にロココの最盛期を迎えました。
穏やかなSカーブと自然の花のモチーフ。手描きや手作りな事が伺える、非対称的なデザイン。背もたれは快適性を重視し、少し湾曲し、角度も傾いています。クレストレールにはカルトゥーシュや彫刻、メダリオンで飾られています。椅子のひじ掛けはドレスのスカートが大きい為、短くなっています。脚は斜めになっていて、カブリオールレッグやカーブしたデザインが一般的です。
生地や柄物はダマスク柄がより細かく、曲線的なデザインに進化していきます。

ルイ16世様式 (louis ⅩⅥ style)

古代遺跡が発掘され、古代ギリシア、ローマ時代に影響された新古典主義な様式。コラム(宮殿の柱)を模したフルーディング溝のある椅子の脚や、古代風な女神像で装飾された家具。
曲線脚シルエットは直線的になり、過剰な装飾は控えつつ、古代ギリシア、ローマでも好まれたアカンサスリーフやパルメット(左右対称の植物文様)、アンセミオン(パルメットや蓮、スイカズラなどの植物をモチーフにして、帯状に連続させた模様)、フルーディング(直線的な溝が彫られた柱の様な飾り)幾何学的な形が見られました。
椅子の背もたれはオーバル型やシールド型、フレームはきちんとしていますが、角度が付けられています。アームレストは端がスクロールしていて、座面の前面まで来ています。脚はストレートで、柱の様なフルーディングやリボンツイスト彫刻が多く見られました。
ルイ15世がポンパドゥール夫人の為に建築を始めたプチ・トリアノンが完成。ルイ16世様式の内装に、マリー・アントワネットが庭をイギリス化、農村風のル・アモ―・ドゥ・ラ・レーヌを作らせました。
マリー・アントワネットはバラとリボンモチーフを愛し、ファッションリーダーでもありました。
生地や柄物はシノワズリが好まれ、図案もさらに細かくなります。直線的で涼しげで繊細な色彩が好まれます。

ディレクトワール様式

直線的でシンプルなデザインに、革命を象徴する紋章やスピア、リバティキャップ等のモチーフが見られました。

アンピール様式 (empire style)

壮大で豪華、帝国の威厳を感じさせるデザイン。
直線的でシンメトリー、古代ギリシャ、ローマ、エジプトの装飾が取り入れられた新古典主義。
パピルス、スフィンクス、女神、月桂樹等のモチーフが見られました。
凱旋門建設やマルメゾン城の改修が行われました。
ブロンズやマホガニー材、ローズウッド、黒檀が多用され、金細工のオルモル装飾で飾られました。
ナポレオン1世の時代と、ナポレオン3世の時代に再び流行しました。
ナポレオン3世の妻ウジェニー皇后は当時のファッションやインテリア等の流行への影響力があり、マリー・アントワネットの遺品をコレクションしたり、新古典主義の家具やインテリアを好んで宮廷に施しました。シックな、洗練された落ち着いた上品さが特徴です。
重厚感のあるベルベットや豊富な色使いの紋様が好まれます。イギリス育ちのルイ・ナポレオンの影響で、フラワーブーケ柄や、風景が描かれた壁紙で覆われた壁の内装も見られます。

レストレーション様式

1808~1830年イギリスのゴシックリバイバルと、1820~1860年フランスのロココリバイバルの影響を受けた王政復古様式。再び優雅さを感じさせるディレクトワール様式に近いデザイン。豊穣の角、フラワーブーケ、フルーツ、穀物等のモチーフが好まれました。

アール・ヌーヴォー様式 (art nouveau)

新芸術運動で、花や植物、自然界のモチーフが多く、自由で複雑な曲線が特徴的です。

アール・デコ様式 (art déco)

直線的でシンメトリーなデザインや幾何学図形。ガラスや金属といった工芸品も多く作られました。

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