憧れのナポレオンチェア
憧れのナポレオンチェアの特徴や歴史のお話を紹介
ナポレオン家具とは
ナポレオン・ボナパルト(Napoléon Bonaparte)(1769~1821)がナポレオン1世としてフランス第一帝政の皇帝だった1804年~1814年頃に流行した様式を、帝政様式(アンピール様式、Empire)と呼ばれます。
シャルル・ルイ=ナポレオン・ボナパルト(Charles Louis-Napoléon Bonaparte)(1808~1873)がナポレオン3世としてフランスの皇帝だった、1852~1870年頃にデザインされたスタイルが、セカンドアンピール、ナポレオン3世様式の家具と呼ばれます。
古代ローマやギリシアの古典モチーフを取り入れた、余計な装飾を取り除きシンプルで洗練された、荘厳な印象のデザインが多く見られ、新古典主義(ネオクラシズム、Neo-Classicism)ともいわれます。月桂樹やコラムなどのモチーフが好まれました。また、皇后ウジェニー・ド・モンティジョ(Eugénie de Montijo)が好んだ、マリー・アントワネットのルイ16世様式、東洋思想の影響を受けたシノワズリも取り入れられ、荘厳さと優雅さがミックスされたデザインも数多く見られます。
当時、日本や中国の漆が人気となり、漆工芸に似せるためヨーロッパの職人が用いた黒檀(エボニー)や、ブラック塗装が施された家具が19世紀末のヨーロッパ上流階級で好まれました。
タンニンや墨汁、アクリル塗料、酢酸、樹皮、酸化鉄など様々な素材でエボナイズされた、黒い塗装の家具が多く見られます。
ナポレオンチェアとは
ナポレオンチェアと呼ばれる椅子はデザインが数種類あります。ナポレオン様式と言っても特徴が多く多種多様で、一言では説明できないとも言われます。
ナポレオンチェアは元々、ブルジョア貴族の部屋を飾る為の装飾家具です。寝室や客間等、部屋のコーナーを飾り、上着を掛けたりして使われていました。その為、本来は座る椅子としては使用しません。デザインを楽しむ為の椅子なので、細身のフレームの華奢なデザインなのです。
ナポレオンチェアの種類
ブラックナポレオンチェアには黒地にゴールドが美しい金彩模様のものが多く、こちらは背もたれがシェルの様に丸いシルエットの人気の高いデザイン。
模様が描かれたデザインの場合、スピンドルや足先までゴールド装飾が描かれています。
アーチ型を残しつつ、装飾的な彫刻や、こちらも人気の高いリボンモールディング付きのデザイン。
リボンツイストやフルーディング、ギボシにはシュロの葉モチーフ。シュロは古代エジプトやメソポタミアで聖樹とされ、葉が落ちる事が無く、毎年新しい葉を付け実が実る為、繁栄のシンボルとなっています。キリスト教では教会を象徴した聖樹として扱われ、信徒を表す動物と一緒に描かれるシュロで飾られた、繁栄の願いが込められた彫刻飾りです。
または、ナポレオン家具らしく、不要な装飾をしなくとも品格を感じさせるシンプルなデザインも見られます。
ナポレオン家具の種類
ナポレオンスタイルの家具たち。
ブラック塗装や、スピンドル装飾によって、華奢で美しいシルエットが一層際立っています。
また、バンブーや花の文様装飾など、シノワズリに影響されたデザインも多く見られます。
関連商品
ブラックナポレオンチェア
フレンチアンティークのナポレオン3世チェア。ブラック塗装のフレームが華奢なスピンドルシルエットを一層繊細に引き立て、シートにはさらっとしたリネン地張りで落ち着いた色合い。真鍮スタッズが引き締め、シックにまとまった雰囲気のナポレオンチェアです。
リボン彫刻のフレンチナポレオンチェア
華奢で繊細なリボン彫刻フレームが美しいシルエットの1890年代製ナポレオンチェア 。
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