ヤコブ&ヨゼフ コーン社(Jacob&Josef Kohn)とは
ウィーンの洗練されたデザインの曲げ木の家具、ヤコブ・アンド・ヨゼフ・コーン社の歴史と商品の紹介
ヤコブ&ヨゼフ コーン社(Jacob&Josef Kohn)とは
ヤコブ・アンド・ヨゼフ・コーン社はオーストリアとハンガリーの家具メーカーです。
ウィーンのデザイナー達が手掛けたカフェや家庭用の曲げ木の椅子、家具類が人気です。
1849年、Jacob Kohnと息子のJosef Kohnにより設立されました。
始まりは木材のコンポーネントを生産する工場でした。
1867年、長い木を曲げる、曲げ木の技術を改良し、1868年に工場を設立。
翌年にはチェコ、1871年にはポーランドと、順調に工場を増やしました。
1900年には6300人の従業員となり、1日に5500台の家具を生産していました。
オーストリア製のものは数が少なく、次いでチェコスロバキア製、ポーランド製は数多く作られ最も良く見かけます。
1870年代に曲げ木の背もたれシルエットが美しいNo.19モデルが販売、人気となりました。
1884年、Josef Kohnが亡くなると、妻と4人の息子達Carl、Julius、Felix、John Kohnが引き継ぎます。
1893年には50種類ほどの生産でしたが、技術的な革新、新しい家具のディティールと製造工程を開発し、安定して拡大させ、カフェだけでなく、部屋全体で快適に過ごせる様な製品が製造されていきます。
裕福なスタイルの家具でしたが、1900年代、建築家・デザイナーのJosef Hoffmann(ヨゼフ・ホフマン)主催の、イギリスのウイリアム・モリスのアーツ・アンド・クラフトに影響され設立されたウィーン工房から、ヨゼフ・ホフマンと、弟子の インテリア・家具デザイナーGustav Siegelをデザイナーに呼びデザインを依頼。
1900年のパリ博覧会では、サロンスタイルのダイニングとベッドルーム用家具を製作。
ヨゼフ・ホフマンとのコラボ製品はコーン社の評判を上げ、成功へとつながりました。
他にも、Otto Wagner、Adolf Loos、Koloman Moser、Otto Prutscher らも携わっています。
コーン社として、1878年と1900年のパリ万国博覧会で受賞、1910年ブエノスアイレス名誉賞、をはじめ、1876年フィラデルフィア万国博覧会~1914年ケルン、など、様々な展示会に出品、賞を獲得しました。
1914年、Mundus(ムンダス社)と合併、Kohn-Mundus(コーンムンダス社)となります。
1922年、Thonet(トーネット社)と合併、Thonet Kohn-Mundus(トーネットムンダス社)となります。
1939年、ドイツに工場を構え経営を一新し、Gebruder thonet(ゲブルダートーネット社)となります。
ヤコブ&ヨゼフ コーン社の家具達
当時の広告にも掲載されている、家具類も多く販売されました。
キャビネットとベッド、ベッドサイドテーブルの3点セットで使われていた、今となっては希少な家具達。
流れる様な曲線を描いた曲げ木の技術が装飾として部屋の中で存在感を発揮してくれます。
ヤコブ&ヨゼフ コーン社の年代別メーカータグ
座面裏に紙製のメーカーラベルが張られていたり、エンボス文字でメーカータグが入れられています。
関連商品
ヤコブ&ヨゼフ コーン社製フレンチキャビネット
トップには曲げ木の技術を活かした流れる様な曲線美の装飾。キャビネットをぐるりと囲むように施されたエンボスのアカンサス模様と随所にフルール・ド・リス模様の彫刻がレースのような贅沢な仕上がり。ヤコブ&ヨゼフ コーン社製フレンチアルモワールキャビネット。
ヤコブ・アンド・ヨゼフ・コーン社製ベッド
ビーチ材を扇方に大胆に加工し、花が開いたようなデザインが目を引きます。サイドレールやヘッド&フッドボードに施されたエンボスのアカンサス模様と、さりげない野草モチーフの彫刻模様。ヤコブ・アンド・ヨゼフ・コーン社製、曲げ木のアンティークベッドです。
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