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「ヴィクトリアン調」と「ロココ調」アンティーク家具の違いは?
西洋アンティーク家具の中でも、「ヴィクトリアン調」と「ロココ調」は、人気の高い様式です。装飾的で美しい家具たちは、見る人を魅了します。
しかし、「ヴィクトリアン調」の家具と「ロココ調」の家具は、似たような家具に見える場合もあります。「ヴィクトリアン調」と「ロココ調」アンティーク家具の違いはどこにあるのでしょうか?
「ヴィクトリアン調」はイギリス、「ロココ調」はフランス生まれ
「ヴィクトリアン調」と「ロココ調」では、様式の生まれた年代と国が違います。「ヴィクトリアン調」はヴィクトリア女王の治世(在位1837~1901年)時代にイギリスで生まれ、「ロココ調」は、ルイ15世(在位1715-1774年)からルイ16世(在位1774-1792年)時代にフランスで流行った様式です。
2つの様式には年代にしておよそ100年のへだたりがありますが、年代以外にも大きな違いがあります。「ロココ調」が宮廷華やかな頃のフランスで生まれ、家具の持ち主は王族や貴族だったのに対し、「ヴィクトリアン調」の家具は、貴族だけでなく産業革命で生まれたブルジョワ層と呼ばれる、裕福な市民の間にまで広まったものでした。
黄金期の大英帝国に花開いた「ヴィクトリアン調」
ヴィクトリア女王治世のイギリスは、産業革命を経て「世界の工場」と呼ばれ、栄華を誇った時代でした。繁栄の中で人々は、豊かな生活様式を作り上げます。
「ヴィクトリアン調」の装飾は多様です。古代ギリシャ風であったり、ゴシックやバロックにならったり、過去の様々な美術を様式の中に取り入れました。「ヴィクトリアン調」家具の中に「ロココ調」の家具が見られる理由もここにあります。
やがて「ヴィクトリアン調」は、イギリスの落ち着きや堅実さを愛する国民性の中で熟成され、シックな色合いと上品で深みのあるデザインへと洗練されていきました。
市民の邸宅用につくられた家具には、宮廷家具に見られない実用性があり、それも「ヴィクトリアン調」家具の大きな魅力になっています。ドロリーテーブル(伸縮性のダイニングテーブル)やライティングビューロー(書き机と戸棚が組み合わさった家具で、机部分が開閉する)など、現代の生活に美しく溶け込むアンティーク家具も豊富です。
優美なるヨーロッパの爛熟、「ロココ調」
「ヴィクトリアン調」は産業革命後のイギリスで広まった様式ですが、「ロココ調」は、絶対王政が支配したヨーロッパの頂点、フランスの宮廷に咲き誇った様式です。
ルイ15世の愛妾ポンパドゥール夫人の時代を「ロココの華」と言い、ルイ16世の王妃マリー・アントワネットを「ロココの女王」と称すことからも、「ロココ調」がフランス宮廷のサロン文化を彩る装飾様式だったことが分かります。
ロココの語源は、バロック式庭園に見られる洞窟の「岩(ロカイユ)」や「貝殻」の装飾に由来します。「ロココ調」の家具は、植物の葉のような曲線を多用したロカイユ装飾を特徴とし、優美さと繊細さが魅力です。
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